ノンフィクションライターの神山典士さんが書かれた『初代総料理長サリー・ワイル』という本があります。
昭和初期、日本に本格的なフランス料理を伝えた伝説のスイス人シェフ、サリー・ワイルが、横浜のホテル・ニューグランドの総料理長として20年を過ごし、またスイスに帰国後は、日本の弟子たちのヨーロッパ修行のために尽力する姿をつづったドキュメンタリーです。
先日、その出版を機に、ワイルが当時日本にもたらした料理を再現してワイルゆかりの人々と囲む、という晩餐会が、盛大におこなわれました。
ペンダコでは、この晩餐会のチラシやチケット、本のプレビューブック、ウェブサイトなどの制作をさせていただいたわけですが、晩餐会にも興味津々。Hさん、Kさんとともに出席してきました。
場所は昭和初期の面影が色濃く残るホテル・ニューグランド本館2階のレインボー・ボールルーム。そこに縦3列に総勢150人分のテーブルセッティングがなされた様は圧巻!
しかも、いらしている方々が、またすごい! 有名ホテルの総料理長やOB会長、名レストランのオーナーといった方々や、テレビでおなじみの服部幸應先生などなど、料理界の錚々たる方々が。
そのため、ちょっと緊張してしまうのでは?と思っていたのですが、これが全然。晩餐会全体の雰囲気はすごくなごやかで心地よく、しかも料理もワインもおいしく、プレゼント大会も大盛り上がり! 楽しく、すばらしい時間を過ごせました。Kさんは、プレゼントの当選番号1つ違いが2度も! おしかったよね〜。
a?また、乾杯前には何人かのワイルゆかりの方々が壇上でご挨拶をされたのですが、90歳の現役シェフの方とか、当時修業のために何日も船に乗ってマルセイユに着き、そこから徒歩でパリまで行こうとした方とか、パリで日本食が恋しくなってベランダでくさやを焼いたらパトカー騒ぎになった話とか、もっと聞きたいくらいおもしろかったです。料理界に限らず、こういう「職人」の世界の話ってとてもおもしろいですよね。
それにしても、精力的にあちこち取材されて本を書き上げるだけでもすごいと思うのに、そのうえ、こんな大晩餐会まで企画して150人もの人を集めてしまう神山さんのバイタリティーにはほんとに感服。すごいです。
神山さんのホームページはhttp://www.the-bazaar.net/。
こちらでは晩餐会の写真が随時アップされるようですよ。(S)
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